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第53話 小さな肖像画と記憶

last update Last Updated: 2025-07-21 19:01:40
「お土産があるの、小さな肖像画」ティンタルがそう言って手渡した小さな肖像画

◇ ◇ ◇

あの晩 先の黒の王・金の瞳をした竜の王 私を抱いた王は言った

夢うつつの中で聞いた・・あの言葉

「そなたの実の子供・・エイル、エルトニアはとても面白い運命をたどる

息子のアーシュランと深く結ばれる運命とはな」

とうの昔にエリンシアに触れて、

エリンシアの過去を そしてエイル、エルトニアの未来を

過去見の力と先読みの力を持った あの方は そう言った

◇ ◇ ◇

「ああ、エイルとアルテイシアはとても仲が良いそうよ

エイルがアルテイシアの為に

リュートを弾いてあげたり アルテイシアはよく黒の王宮を訪ねたり

少し前に 自分の湖畔にある城にエイルやリアンを招いて宴をしたそうよ

アルテイシアは アーシュラン兄様の事は諦めてないらしくて

第二王妃の座を狙ってるみたい、噂話だけど」

首をすくめるアムネジア

◇ ◇ ◇

「そちらの絵は今のアーシュラン兄様とエイル・エルトニアにアルテイシアよ」

三人の人物の絵

若い男性が左側に立っていて

真ん中に置かれたソフアに

二人のまだ17,8歳の娘が仲良く座っていた。

長いウエーブのかかった金の髪

ストレートの長い耳元の辺りで左右の横の髪を少し切っている黒髪の少女

金の髪の少女は長いウエーブのかかった髪をポニーテールにして

大きな瞳

青と金に近い茶色のオッドアイの美しい少女

白を基調とした 裾の短い服を着ている・・胸元には 大きな金の飾り

裾には 金ラインの裾飾り

これがエイル・・エルトニアなのね

涙ぐむエリンシア

長い黒髪の少女は あのアルテイア姫

アーモンド型の大きく少し吊り上がった瞳

淡い緑色の刺繍の入った 裾の短い服

大きめの胸元には少し開いて見えて 金のエメラルドの宝石の入ったネックレス

◇ ◇ ◇

左の人物 黒髪の青年 吊り上がった瞳

精悍な顔立ち

あの不思議な焔の瞳・・王女テインタルと同じもの

黒髪は肩より少し長い髪を紐で縛っている 金の輪を 頭に被り

金の縁取りをされた黒い服を身につけ

肩に深紅のローブを斜めにかけて

その深紅のローブに

細長い金模様のライン状のものがついている

腰には同じく深紅の布でベルト代わりに縛っている。

彼女二人を守るようにソフアの傍近くに立っていたのだった。

◇ ◇ ◇

そし
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